choo choo trainに乗せられて我々はどこへ向かうのか
choo choo trainを題に入れようとしたわりには綴りが分からず、まず検索するところから始まった。
日本の音楽シーンにも無知、英語にも無知、いまのところこれから綴ろうと思っているLDHについても無知。そんな私がざっくり言うとこのタイミングでEXILE一族にはまった。このタイミング、というのが重要になってくるが、そこは順を追って説明したい。
LDHについて軽く説明をしようと思ったが省くことにする。私はHiGH&LOWを見るまで岩田剛典さんのことも知らなかったが、どうやら世間の人たちは老いも若きもEXILEはもちろん三代目JSBについてもLDHについても、ある程度知っているようです。
まず何から書こうか迷っている。
来月の9月15日にEXILEが三年(二年半?)の休止期間を終えて再始動する。どう考えても、なぜ私がEXILEの復活を心待ちにしているのか分からない。
多少個人的な事情の説明をさせてもらう。ふーんこんな奴がEXILE一族に……という気持ちで流してもらいたいが、一応このブログを書くに至った「私はEXILEに連れられていまどこへ向かっているのだろうか」というぐちゃぐちゃした気持ちが、それなりに簡潔にまとめられていると思うので読んで欲しい。
EXILE一族にはまったのはかなり誤算だった。
私はこれまで音楽にもダンスにも、ステージの上でキラキラ輝くアイドルや、定期的に大流行りするダークなヤンキー・ヤクザ物語にもほとんど興味はなかった。EXILEが日本のエンタメ業界でどういった立ち位置なのかよく分かっていないが、少々ヤンチャなアイドル、というところなのではないでしょうか。メンバーの色白比率も上がっていて、アイドルっぽさはさらに増している。
ところで、私は二十代半ばであり、前述した話とやや矛盾するが、実はEXILE一章、二章まではわりとEXILEが好きだった。タカヒロさんのボーカルバトルオーディションのあたりの記憶はわりと鮮明だし、オカザイルは腹を抱えて笑いながら見た記憶がある。中学時代から変えてない携帯のメールアドレスには、数年前に勇退されたUSAさんの名前を入れている。もうほとんど前世の記憶と言ってもいいが、私自身、小学校の六年間はダンスを習っていた。前世の記憶なので曖昧だが、ヒップホップだったと思う。ダンスブームだったのだ。
それなりに熱心なEXILE、というかダンス好き小中学生だったと思うのだが、それ以降二十代半ばの今にいたるまでEXILEのことは追っていなかった。EXILEがどうこうというわけではなくて、それなりに勉強と部活で必死だったのだが、丁度その頃EXILEはいわゆる「人数がめちゃくちゃ増えた」今の体制に近くなっていた。オリジナルメンバーに二代目JSBが加入した状態である。このあたりの人数の入れ替わりは、就職試験の数的処理問題か?というくらい複雑だ。メンバーがたくさんいて、新たにファンになりづらいなという状況。そういうわけで、私も今まで、つまり昨年2017年の10月までEXILEのことを意識せずに生きていた。
さて、EXILEのことをすっかり忘れていた私が、ある時、ツイッターである映画の予告動画を見る。『HiGH&LOW THE FINAL MISSION』の予告だ。金髪の少年がコンクリートを口に流し込まれているショッキングな映像だ。
アクションメインの洋画が好きで、邦画ではあまり過激な画を見たことがなかった私はその映像に「何だこれは?」と思い、知人にハマるなら今だよ!とすすめられ、ノコノコと『HiGH&LOW END of SKY』を近所の映画館に見に行った。FINAL MISSIONの前作であり、全国ではとっくに公開が終わっていたのだが、幸運なことに田舎なので二カ月遅れでまだ公開していたわけだ。見ました。凄いものを見たなと思った。
HiGH&LOWについてはまた別で語るとしてさっくり話を進めます。
ここから私のLDH周辺への進出具合は知人も友人も呆れるほどで、一週間でHiGH&LOWドラマ2シーズンとそれまでの映画シリーズを見終わり、ムゲン(作中のバイクチーム)の女になったことで、演者であるアキラさんと青柳さんにもハマった。
劇団EXILEの役者であり歌手である青柳さんの新曲リリースイベントに参加するために兵庫に行き、横浜でアキラさんの所属するEXILE THE SECONDのライブに参加し、東京のハイローカフェに行き、LDHのファンクラブに入り、三代目のライブのライブビューイングに行った。今思えばちゃんと日記でもつけておけば良かったなと思う。ほかにもこまごまと色々イベントがあったはずなのですが、あまり思い出せない。そういったわけもあって今ブログを書いているのですが……。
これまでの生活で、何か趣味のことを追ってこれほどまでに忙しく動いたことは無かったように思う。
そうしてふと気づいたことは、EXILEは私の知らないうちに活動を休止しているらしい、ということだった。
ハイローのなかでもお気に入りのキャラクター、琥珀さんを演じるアキラさんの所属するEXILE。そしてEXILEが活動を休止している間、EXILEの名を背負って活動しているEXILE THE SECOND。
少しだけ補足すると、ここまでこの記事を読んでくださっている方には周知の事実ですが、SECONDとは六人のボーカル&パフォーマーグループで、全員がEXILEに所属している。
リアルタイムでSECONDの活動を見られたのは本当に幸運だったと思う。SECONDについてもまた別のブログで触れようと思うのでさらっと流しますが、私はSECONDのライブに横浜、幕張と都合3回参加してみて、「こんなに楽しくて優しいライブは初めてだ」と思った。
前述したように、かつて私がEXILEに触れていたのは子供の頃なので、ライブを生で見る機会も金銭的自由なかった。今ほどライブ生中継や後日テレビで放映などのシステムも整っていなかったように思う。
EXILEのライブと言うと、彼らの風貌からもオラオラ系というか「行くぞテメエら!(CV岩田剛典)」なMCだと思っていたのだが、その予想とは真逆に、SECONDのMCは「みなさんいっしょに!」「楽しんでくれてますか?」なのである。この表現は不適切かもしれないが、ほとんどおかあさんといっしょ地方ステージ。ものすごくやわらかい。
EXILEもSECONDも楽曲は多岐にわたり、私は音楽のジャンルもいまだにまったく分からないのだが、いわゆるそれっぽいオラオラしたやつから、穏やかなものまでいろいろある。なんだこの曖昧な説明は。
SECONDのライブはとにかく丁寧である。いつ観客が歌えばいいのか、踊ればいいのか、歌詞はどこか、振りはどうなのか、きっちり示してくれる。とても丁寧。
SECONDのメンバーがどうやらEXILEのメンバーだと気がついて、私は過去のEXILEのライブを見始めた。そうつまり、なんかEXILEの人数増えたなー、の増えたにあたる人たちがSECONDのメンバーであり、三代目JSBのリーダーの直人さん直己さんである。
なんせ十年分くらいのEXILEに関する情報がすっぽり抜けていたので、私は過去のライブ映像を慌てていくつか見た。ライブ演出が丁寧なのはSECONDだけじゃなくてどうやらEXILEもらしい。当然だ、SECONDの親グループ(という表現は正しいのか)なのだから。
どちらのグループも(そして広げれば三代目も)、共通して私が感じたのは「こんなに楽しくて優しいライブは初めてだ」「いっしんに人の愛や未来への夢や今ここにいることの幸福を語るライブ、エンタメは初めてだ」ということである。このあたりになると普通の友達は「ヤバい……」と半笑いで逃げていくのでがっつり羽交い絞めにしたい。この辺りの話もまた別で語るとして先に行く。
さて、ここまでの流れをまとめる。
- ハイローを見る
- SECONDを知る
- あんなに人数が多いと思っていたEXILEの顔と名前が一致する
である。
ハイローはめちゃくちゃ面白いキャラもの物語である。そして、SECONDのメンバーも、EXILEのメンバーも半数以上がハイローに出ている。物覚えのあまりよくない私でも、さすがにSECONDとEXILEのメンバーは覚えてしまった。
この間、約半年。同時期に、約半年にわたって行われたEXILE THE SECONDのツアーROUTE6.6のファイナルの日がやってきた。個人的な話になるが、この辺りで私はいちばん正気を失っていて、5月23、24日は幕張でSECONDのライブ、25日開けて26日は青柳さんの写真集のお渡し会と、たしか4日間東京にいた。あまり覚えていない。
ハイローからなんとなく入った私はEXILEについて復習し、SECONDにがっつりはまっていた。同時に、幕張ファイナルを迎えるにあたって、この頃は「EXILEのことはあまり知らないがSECONDの熱狂的ファン」という人も増えていたように思う。
私はどっちつかずだった。EXILEのことはまだぼんやりだし(これは生でパフォーマンスを見ていない今現在もそうだ)、SECONDのことも大好きだが、SECONDがEXILEに吸収されてSECONDの活動が見られなくなる、と悲観するほどの熱狂的ファンでもない。
ただ、確かにこの頃から幕張ファイナルにはEXILEがゲストで最後に来るんじゃないか?SECONDのファイナルがEXILEに食われてしまうんじゃないか?という、かなり熱のこもった意見を見かけた。主にツイッターで。それを眺めていると何となく私も悲しくなり、「よーしEXILEの圧に負けないぞ」という気持ちになっていた。SECONDの感動だけを持って帰るぞ!と。かなり意味不明だ。
そしてファイナル当日、果たしてEXILEはステージに現れた。
私は完全に負けた。
スクリーンに次々映し出されるEXILEのメンバー。その中にはもちろん、ついさっきまでステージで見ていたSECONDの皆さんもいる。
パフォーマーが映り、最後にタカヒロさんとアツシさんが映った時点でもう駄目だった。膝の力が抜けた。幕張メッセは揺れている。両隣の人は号泣していた。
一曲目はライジングサンだったと思う。奇しくもSECONDが直前に、アンコール前に最後に歌ったのはラストグッバイだった。黄昏と共に別れた人たちの歌だ。
日が沈み、また太陽が昇る。SECONDのライブ構成が、この、EXILE復活の演出のために練られたものだと後で思い至って眩暈がするようだった。
ステージの上は黄金に輝いていたと思う。それがライトのせいなのか、私の目がチカチカしていたからなのかは分からないが。王者の帰還だなと私は思った。EXILEの三年間の活動休止のあいだのSECONDの活動は、三年後のEXILEの活動再開のためのエピソードだった。もちろん、SECONDの活動あってのEXILEの感動的な復活だ。SECONDの活躍なくしては、私も、ここまでEXILE復活に心を揺さぶられなかった。
あまりにも長い道のりの果てを見た、と思った。
SECONDのファイナルにEXILEが現れるなんて!という気持ちの方ももちろんいるだろう。幕張ファイナル当日、なかば悔しい気持ちでEXILEを見ていた人の気持ちも分かる。いわば『ロードオブザリング 王の帰還』をいきなり見せられた人々である。幕張ファイナルにはとある私の友人も来ていた。彼女は友達がSECOND好きで何となくついてきた、なんとなくSECONDのボーカルである将吉さんが好きな人である。彼女にはよく分からない演出だっただろうな、と思う。いきなり王の帰還を見せられても訳が分からない。
『旅の仲間』から物語を追えなかった、または、追っても肌に合わなかったということはもちろんあると思う。私はたまたま、幼少期にEXILEに触れていた。ハイローから再び彼らの世界に触れ、多少なりともLDHの歩みとEXILEの挑戦とパフォーマンスを見ていた。
せっかくのSECONDのファイナルなのに、EXILEが場を食うなんて、という思いと同時に、彼らの道のりの果てしなさを垣間見ていた。
SECONDのメンバー六人の個人活動、六人の道、ROUTE6.6の終着点にEXILEが待っていた。
彼らの努力を他のEXILEメンバーは見ていたし、彼らが努力したからこそ、今の15人のEXILEがある。幕張ファイナルの演出で、その過程を直接たたき込まれた気がした。今のEXILEのパフォーマーの核となるのは、年齢的にもSECONDのパフォーマーである。
どこまでがヒロさんの計算のうちだろうか、と私は考えている。
説明するまでもないと思うが、ヒロさんはEXILEのオリジナルメンバーでありリーダーであり、勇退されたものの現在もLDHの偉い人だ(どのポジションなのだろう)。EXILEの活動休止と同時期に立ち上げられたハイロープロジェクトもproject byHIROである。
私がそうなのだが、どうやら、ハイローからLDHにはまり、EXILEおよびEXILE THE SECONDにはまった人たちのうち何人かは来月のEXILEのツアーに行く。もともとEXILEは興味なかったのにーという人も結構いる。ハイローがそういう層の人たちの入口になり、そこから三代目のファンになる人、SECONDのファンになる人、もしくはジェネレーションズやランページや劇団EXILEのファンになる人がいた。
繰り返しになるが、どこまでがヒロさんの、LDHの計算のうちなのだろう?
シリーズ最終章前ぎりぎりのタイミングでハイローにハマり、毎日のように流れてくる新情報。数カ月にわたるSECONDのツアー。定期的な新曲リリース。このタイミングの良さ、計算され尽くしたコンテンツのローンチ、良く聞いてみればこちらを飽きさせないバラエティ豊かな楽曲。ダバダバ流しそうめんのように流れてくる毎日の新情報に、怖いよー私はどこに連れて行かれるんだよーと二十代半ばの大人が半泣きだった。
ハイローもひとまずシリーズがひと段落し、SECONDの六人の旅もひとまずの終着を得た。
ハイローにハマり、EXILEの復活を目の当たりにしたのは私の意思であり私の勝手だ。
だが、乱暴で傲慢な言い方だが、どう考えてもこれはヒロさんの用意した無数のレールの上なんじゃないかと思っている。すべてEXILEの復活のため。あまりに長い物語だ。
繰り返しになるが、他グループの活動がすべてEXILEのためのものである、という誤解は招きたくない。ただ、彼らはどうしても物語を作るのが上手い。私が目視できる範囲でも約三年、なんならEXILEが結成されてから二十年近くに渡って、彼らはEXILEのための物語を紡いできたのではないか。余談になるが、そもそもボーカルバトルオーディションが、生身の人間を使った壮大な夢物語のひとつである。
先日発売されたEXILE三年ぶりとなるアルバム『STAR OF WISH』の特典に、三年間のEXILEメンバーを追ったドキュメンタリーがある。しめて四時間。物凄い熱量だ。
ネタバレになるが、そのドキュメンタリーの中で、EXILEのメンバーであり三代目のリーダーである直己さんの言葉が印象に残った。
「十五人でやる意味があるのか?」というものだ。
この言葉はドキュメンタリーの後半で繰り返し繰り返し出て来る。あからさまに強調している。
きっとEXILEの復活を目の当たりにした我々は「十五人でやる意味はここにあった!」と叫んでいるのだろう。それを見越して、このドキュメンタリーを編集した人はこの直己さんの台詞を繰り返し使っているのだろう。
私はいま茫然としている
SECONDの幕張ファイナルで、私は長い道のりの果てを見たと言ったが、まだ彼らもそして私たちも、何らかの長い旅路の中にいるらしい。EXILEは放浪者という意味だ。
私は、我々ファンは、そして現状15人のプレイヤーで固められたEXILEは、今後どこへ向かうのか。この疑問と展望をブログの始まりとしたい。